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和寒ふるさとカレンダー2024

塩狩駅~和寒駅から日の出へ

**撮影地の選定**:

  全道各地の風景写真を撮影していると、その地域に根付く鉄路の風景がある。

釧路での撮影の場合、釧路湿原を走る花咲線は雄大な釧路湿原の中にある、人びとの生活を感じることができないだろうか?

 残念ながら廃線になってしまった留萌本線も、北海道の厳しい冬を生き抜いてきたたくましさを感じる。

 自然風景とそこに暮らす人々をつなぐもの、地域と地域をつなぎ人と人をつなぐ鉄路と車両は、情景を写し撮るにも大切なものであると感じる。

塩狩峠を超えて、塩狩駅~和寒駅、そして剣淵に入るまでの短い距離の何気ない風景の中にも、目に留まるものがあるのではないだろうか・・・

和寒ふるさとカレンダー
釧路湿原

2. **和寒駅夕景**:

このカレンダーを製作する前にも、和寒駅やラッセル車が走る様子をよく撮影してきた。

夏の和寒駅が、夕焼けに染まる姿を見たときには、ノスタルジックな感動があり、地元の和寒駅のことを改めて見直すきっかけになったと感じる。

北に向かう宗谷本線が夕焼けを背にする機会は、夏の短い間しかない、太陽が最も北に落ちる夏の間だ。

夕焼け空と、灯りをともし始める駅、夕暮れの空が燃えるように赤く染まり、その煌めきの中で駅の灯がひときわ優しく輝く。この美しいコントラストは、時間と空間、そして自然と人の暮らしの調和を感じさせてくれる。

初めての撮影は駅舎のみだったが、この時間は名寄行き19時29分の普通列車が来る瞬間だ。列車をこの風景に取り込むには、夕暮れ時の暗い場面を利用してスローシャッターでテールランプが赤く尾を引くような写真、これが頭の中でデザインされてきた。

和寒駅は歩いて10分くらいのところだが、スローシャッターでテールライトがどれくらい流れるか確かめられるのは、一日のうち1回しかない。

**撮影の工夫と挑戦**:

撮影は、ただのシャッターを切る行為ではない。それは、瞬間を切り取る魔法であり、その魔法を最も美しく、最も感動的に伝えるための工夫と挑戦の連続だ。

スローシャッターを使った撮影は一日に一回のチャンス、私はより美しい一枚を求め、何日もかけて、さまざまな角度やレンズを試してみた。望遠レンズでの撮影、広角レンズでの撮影、そして異なるカメラでの撮影。それぞれの方法で、夕焼け雲と赤いラインが最も美しく配置される場所を探し求めた。これは期間限定の天気次第の風景、ワンカットワンカットに気持ちを込めた写真になった。

そして、ある日、私の頭の中に浮かんできた一枚。それは、このカレンダーを製作するきっかけとなった一枚だった。夕焼け空と、灯りをともし始める駅、そして走り去る列車のテールライト。そのすべてが、完璧なバランスで一枚の写真に収まった。

撮影は、常に新しい挑戦であり、その挑戦を乗り越えることで、私たちは真の美しさを切り取ることができるのだと、この経験を通して再認識した。

この記事の著者

谷口 勝弘

1967年8月5日生まれ。北海道を中心に活動する写真家。小学生からカメラ愛が強く、今では多くの人々を魅了する風景写真へと昇華。特に和寒町の風景写真で知られ、その作品はふるさと納税の返礼品や士別市の道の駅での販売など、多方面で愛されている。彼の写真は「癒し」をテーマに、日常の風景を独自の視点で切り取る。

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